ヘビ飼育を始めようと思ったとき、よく候補に上がるのが「コーンスネーク」と「ボールパイソン」です。どちらも他のヘビより比較的手に入りやすく、飼育もしやすいからでしょう。
見た目の好みで選ぶのも一つですが、実は決める前に知っておくべきポイントがあります。
今回は、ボールパイソンとコーンスネークを両方飼育する私が、初心者が直面しやすい難点もふくめて、特徴の比較をご紹介します。
比較①エサの食いつき(拒食リスクの差)
爬虫類は毎日エサを食べるわけではない種類が多くいます。特にヘビは成体になれば、1ヵ月に1度というケースも少なくありません。
そこで初心者が直面し、頭を悩ませやすいのが「拒食」です。ヘビは種類によって、温度差・気圧・環境の変化などによって食べなくなるケースがよくあります。特に冬はまったく食べないという個体もめずらしくありません。
ボールパイソンは初心者向けといわれますが、拒食しやすい傾向があるとも聞きます。私が飼育している子はまだ小さいからか、今のところ拒食はしていませんが、何ヵ月も食べず、長ければ半年まったく食べなかったという話もよく聞きます。
一般的なペットは毎日エサをあげるため、数日~数週間に一度の給餌で食べてくれないと、かなり心配になりますよね?毎回マウスを解凍してあげても食べず、翌日も翌々日も食べず…なんてことが繰り返されると、エサ代も跳ね上がりますし、不安で仕方なくなる人も多いでしょう。
そのため、ボールパイソンを飼うのであれば、食べないこともあるということを理解し、しっかり体つきを見ながら冷静に判断できる人がおすすめです。
「昨日食べなかったから今日もあげてみよう」ではなく、まずは骨が浮き出ていないかを確認し、次の給餌予定日まで様子を見られる人であれば、食べないことによる飼い主の精神的なダメージを最小限に抑えられます。
| 【我が家で拒食するヘビたち】 私の家には、ほかにもアオダイショウとコロンビアレインボーボアというヘビがいます。この二匹とも冬は食べません。 最初のころは食べないことに不安を抱き、何度もエサを食べさせようとしていましたが、無駄でした。しかし、何をしても食べなかったのに、春になればまた勝手に食べるようになるのです。 結果として、「そういう時期だから」と割り切り、冬は頻度を落として給餌するスタイルに変えました(低頻度でも食べませんが笑)。 |
コーンスネークは比較的しっかり食べてくれる個体が多い
ボールパイソンに対し、コーンスネークは比較的拒食しにくい傾向があります。
実際、私は2匹のコーンスネークを飼育していますが、お迎えしてから今日まで、一度たりともエサを食べなかった時がありません。食いつきも非常によく、エサを見せれば飛びつきます。
「エサをしっかりと、当たり前に食べてくれる」ということが、どれほど飼い主の安心感につながるか。初心者にとっては非常に重要なポイントだと私は思っています。毎回エサに飛びつくコーンスネークを見ると、なんて飼いやすいヘビなのかと感じます。
比較②性格とハンドリング(触れ合い方の違い)
それぞれ初心者向けのヘビではありますが、その性格やハンドリングのしやすさにも違いがあります。
コーンスネーク:最初は暴れるが、育つと落ち着く傾向
コーンスネークは活動的ですが、慣れないうちは多少威嚇してくることもあります(尻尾を細かく震わせてジジジと音を鳴らすなど)。 特に幼体の頃は、ハンドリングしようとするとバタバタと激しく暴れて、手から逃げようとすることも珍しくありません。

▲バタつく我が家のヤングコーンスネーク
しかし、ある程度育って環境にも慣れてくると、持ち上げても暴れず、スルスルと動くけれど「嫌がってはいない感じ」に落ち着いてくる個体も多く、初期のような「パニック的な暴れ」はなくなります。
ボールパイソン:どっしり構える「お団子」
ボールパイソンは動きがコーンスネークほど早くありません。驚くとその名の通り「ボール状」に丸まってしまうほど臆病でおとなしい性格です。
一度手に乗せると、その場にどっしりと落ち着いてくれるため、初心者でも落ち着いてハンドリングできます。筋肉質でモチモチとした独特の触り心地は、ボールパイソンならではの魅力です。

▲掃除の際に水容器を取り出したら、そのまま上から動かなかったボールパイソン
ただし、ごくまれに荒い個体もいるようです。お迎え時に荒い個体を選ばなければ、あまり心配はないかと思いますが、そういう子もいるということは覚えておきましょう。
また、ハンドリングしやすいからといって触りまくっていいというわけではありません、ヘビにとってはストレスになるため、エサの前に触れ合ったり、掃除のついでに触れ合ったりといったように、触ってもいいタイミングを決めておくといいでしょう。
見た目と存在感の違い
では最後に、見た目や存在感の違いについて比較してみましょう。
コーンスネーク:スマートで色鮮やかなカラー
コーンスネークはアオダイショウなどと同じ「ナミヘビ」という種類で、成体になっても太さはそこまで出ず、シュッとしたスマートな印象です。
モルフ(品種)も非常に豊富ですが、特に「赤・オレンジ・黄色」といった、パッと目を引く色鮮やかな個体が多いのが特徴です。ビビッドな色合いを好むならコーンスネークが適しています。
ボールパイソン:重量感と底知れないモルフの世界
長さはコーンスネークと同じくらいですが、体が非常に太く成長します。成体の重量感はコーンの数倍あり、「ヘビを飼っている!」という満足感は非常に高いです。
その分エサのサイズも大きくなるため、将来的にはマウスよりも大きい20cm弱のラットを飲み込めるようになります(飼育の仕方によって与えるエサは異なります)。
また、ボールパイソンもモルフの数は覚えきれないほど存在します。 複雑な模様の組み合わせ、白蛇、黄色系など、コレクター性が極めて高い種類です。
どっちを選ぶべき?チェックリスト
コーンスネークが向いている人
- 「エサを食べない」というストレスを一切抱えたくない
- 最初は少しバタついても、成長と共に落ち着く変化を楽しめる
- スリムで鮮やかなヘビの元気に動く姿を観賞したい
ボールパイソンが向いている人
- 「半年食べなくても見守れる」という強い精神力がある
- 最初からおっとりしていて、モチモチと触れ合えるヘビがいい
- 太くて力強いフォルムが好き
まとめ:最後は「覚悟」の問題
「飼いやすいのはどっち?」と聞かれれば、どこに重きを置くかによって変わります。ただし、初心者の場合は、エサをしっかり食べることが、それだけで飼育の難易度を劇的に下げ、飼い主のメンタルを守ってくれると私は思っています。
最初は少し威嚇されたり暴れられたりしても、しっかり育てていくうちに「嫌がっていない」信頼関係を築けるのもコーンスネーク飼育の醍醐味です。
もしボールパイソンを選ぶなら、拒食する可能性があることを理解し、「半年食べなくても動じない覚悟」を持って迎えてあげてください。




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